想像して、予想して、ベストを選んだはずなのに、
それでも思い描いていたものとは、少し違うものになったりする。
しっくりこない感や、行き詰まり感。
結局、解体して、再構築。
そんなとき一番意識しているのは、もっと曲本来の姿を知ろうとすること。
そうすると、意外と不要なものがあったりすることに気づく。
今日の曲は、まさにそんな感じ。
この曲は、飾り立てることもできるし、きっとそれも似合う。
だけど、迷った末に、曲本来の姿を意識して聴いてみると、
もっと「唄のチカラ」を信じてもいいんじゃないか、って気付く。
勇気を持って、省くこと。
単純に「シンプル・イズ・ベスト」と言うのとも、違う。
その曲に合う音。
その曲に合うアレンジ。
それが一番、曲が呼んでいる音なのだと思う。
気付いたのは、
ドラムでもベースでもなく、
この曲は、残り、あと、あたしの声を待っている。
足りなかったのは、あたしの声だ。
あたしの声が紡ぐ、ストーリーと、世界だ。
パソコンモニターの前で、ファイルと波形と記号とデータたちに向き合いながら、
ああ、この曲は「唄」なんだ、
と思う。
ここに埋め込まれた情報は、記号じゃない。
あたしの命の一部が、唄として、ここに。
楽しみにしていてね。
